ワインボトルの底に、カスみたいな沈殿物が沈んでいるのを見かけたことがありますか?
このカスの正体、「オリ(澱)」というんですが・・・。
お酒に詳しい人の会話からたまに聞こえてきたりもしますが、一体ワインのオリとは何なのでしょうか?
★オリ(澱)の正体は・・・
赤ワインを光にかざすと、黒っぽいゴミのようなものがフワフワとボトルの底周辺に漂って見えることがあります。
これがオリ(澱)と呼ばれるもので、長く熟成された上質な赤ワインに多く見られます。
この正体は、ワインの熟成途中で、渋み成分であるタンニンや、ポリフェノール・酒石などが結晶化したものです。
ワインがまだ若いうちにオリが生じることは少ないですが、色が濃く、渋みや酸味が強く飲みごろになるまで長い熟成期間を必要とするワインの場合、年酢が経って熟成が進むにつれてこれらの成分が固まってオリになります。
上質なワインほどオリが見られることが多いというのは、ポリフェノールやタンニンを豊富に含んでいるからであって、濾過が正常に行われていないワインというわけではありません。
しかし、オリがあるからといって、全てのワインが熟成している訳ではありません。
中には、長期間の保存状態が悪いばかりにコルクが乾燥してしまい、コルクとボトルの隙間から空気がワインに入り込み、酸化してしまうケースもあるので、ご注意を!
★オリを一緒に飲んでしまった!大丈夫なの??
オリは、上でも説明した通り、ワインの旨み成分がボトルの底に沈殿したものなので、全く人体に影響を及ぼすものではありません。
とは言っても、オリは舌に振れるとざらつきや酸味・苦味を感じてしまうため、ワインの味わいや飲み心地が悪くなり、せっかくのワインの風味が損なわれてしまします。
しかし、長い年月の間に、このオリに余分な渋さが集積されていくおかげで、上澄みの部分であるワインは渋さが抜けまろやかになり、ワインの旨み成分に欠かせないものなのです!
ワインボトルの底の計上を見ると、外側が大きくくぼんで内側に盛り上がっていますよね?
これは、くぼみを囲む周りの部分にオリを沈ませて、ボトルの中にオリが舞うのを防ぐようにするための工夫だったんです!
オリのあるワインは、少なくとも飲む数日前からボトルを立てておき、ワインを注ぐときにオリが舞い上がらにようにしっかりとそこに沈めておくことが必要です。
★白ワインにもオリはあるのか?
上質な赤ワインに多く見られるオリですが…
白ワインにもキラッと光るガラスのかけらのようなものが見られることがあります。
これは、赤ワインのような色素成分が固まったものではなく、これは酒石酸とカリウムなどのミネラル成分が結合したものです。
白ワインの場合も赤ワインと同様に、ミネラル成分を豊富に含んだ上質なワインほどオリが発生しやすくなります。
これはコルクの裏側などにつくこともあり、白ワインの保存状態が良いときに多く見られるようです。
「ワインのダイヤモンド」なんていうロマンチックな呼び名まであるそうな!